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蘇州医療用品場:小さい針にも大きい市場がある

2019年 5月 8日9:44 提供:東方網 編集者:王笑陽

 蘇州医療用品場有限公司の曹煬理事長によると、鍼灸師が鍼治療を行うときの技術は各国でやや異なっており、使用する針の種類も異なっている。例えば、日本ではプラスチック製の針、またはステンレス製のチューブで作った針が使用されているが、韓国では針がステンレス製で末端に螺旋巻きの鋼線で作ったハンドルがある。それに対して中国では、異なった病症に対して異なった材質の針を使うために、金、銀、銅、ステンレスなどの種類に分けられている。また、もぐさを燃やして針を温められるよう、ほとんどの針の末端にもぐさを入れる穴が開けてある。

 世界レベルで高い競争力を保つために、蘇州医療用品場有限公司は日本式、韓国式を含む280種以上の針を生産している。中には針の長さが66cmのタイプもある。

蘇州医療用品場有限公司の工場

自動化生産を支援するロボットアーム

 針の生産方法について曹理事長は、「以前、針は銀細工職人によって手で磨いて作り上げていましたが、今では生産過程は100%器械化されています」、と紹介した。

 さらに、製品の国際規格の制定に参加することも、会社が世界市場で優位性を保つ重要な要因と言える。ISO/TC249とは、中医学分野において、生薬や製剤、鍼灸機器などの国際規格を定めるISO内の専門委員会である。ISO/TC249が2009年の発足後に発行した初の国際規格は、「ISO 17218: 2014 滅菌済み使い捨て毫鍼」だった。蘇州医療用品場有限公司は中国を代表してその規格の制定に参加した。

ISO 17218: 2014発行を発表した記者会見

 各国の鍼灸針がそもそも異なっているため、統一した標準を定めることは順調には行かなかった。蘇州医療用品場有限公司のチームは他の12カ国の専門家と、医療用毫鍼の種類、材料、寸法、性能などをめぐって検討を繰り返し、15回も修正してからようやく各国に認められる国際標準を制定した。幸い、長年間の努力は報われて、規格発行後に、当社はすぐに国際規格を採用した。現在会社の年生産量は2008年の3倍の18億本となり、売上げも著しく伸びている。

 鍼灸は中医学の代表的な治療法の一つである。曹理事長は、「医療機関、教育·研究機関、企業の皆さんの共同の努力で鍼灸、さらに中医学を世界に紹介することを望んでいます」と語った。

(取材:呉琼 日本語訳:王笑陽)